弁護士の選考を受ける人はこれを見よう!

・「弁護士の仕事内容は?」
・「どういう人が向いているのかな?」
・「やりがいはなんだろう?」
といった疑問にお答えします。

0.目次

1.弁護士の仕事内容は?
2.弁護士はどういう人が向いてるの?
3.弁護士の魅力とは?

1.弁護士の仕事内容は?

弁護士の仕事内容は主に、「民事事件に関する業務、刑事事件に関する業務」の2つです。

それぞれについて説明していきます。

①民事事件に関する業務

民事事件は、個人間や法人間など、私たちの身の回りの生活上で起こるさまざまな争いに関する事件です。

お金を貸したのに返してくれない、離婚や相続で揉めた、交通事故に遭った、医療ミスが疑われるなど、案件の種類は多岐にわたります。

民事事件における弁護士の業務も、問題の深刻度合に応じてさまざまであり、法律についての助言だけで片付く場合もあれば、代理人として書面を作成したり、相手方と交渉を行ったりすることもあります。

話し合いでの解決が難しければ、最終的には訴訟を起こして裁判に持ち込み、法的手段での決着を図ります。

民事裁判における業務は、まず依頼人の希望を聴取すること、次に事実関係を調査して、依頼人に有利となる書類や証言などを集めること、そして裁判で依頼人の弁護を行うことです。

テレビドラマなどでは、よく法廷で熱弁をふるうシーンがクローズアップされますが、実際の民事裁判はもっと事務的であり、弁護士の仕事も証拠集めなどの準備作業が大半を占めます。

裁判によっては、訴状を提出して次回の期日を決めるだけで終わり、10分程度で閉廷となることも珍しくありません。

②刑事事件に関する業務

刑事事件は、警察が介入し、刑法上の犯罪が対象となる事件で、暴行、傷害、器物破損、窃盗、詐欺、脅迫、わいせつ、賭博など、さまざまな種類があります。

刑事事件における弁護士は、罪を犯した疑いのある人(被疑者)や、罪を犯したとして検察に起訴された人(被告人)の代理人となり、事件を調査したり、検察官を相手に弁護活動を行うことが仕事です。

ただし、裁判ドラマから受ける一般的なイメージとは異なり、刑事事件を手掛ける弁護士は少数派です。

これは、警察官や検察官が、事件関係者などを強制的に調べられる強い権限を持っている一方、弁護士にはなんら捜査権が与えられておらず、事件の調査や証拠集めが非常に難しいということが影響しています。

また、被疑者や被告人の多くは、知り合いに刑事事件を得意とする弁護士がおらず、金銭的余力に乏しい人も少なくないため、裁判所が選定した「国選弁護人」に頼るケースが目立ちます。

しかし、憲法には「誰もが公平に裁判を受ける権利がある」と明記されており、罪の重さに対して不当な量刑が課されたり、えん罪が発生したりすることを防ぐため、弁護士の働きはきわめて重要です。

民事事件と比較すると、法廷で発言する機会も多くなりますので、刑事事件を扱う弁護士が少ないからといって、民事事件より仕事のやりがいが劣るというわけではありません。

さらに、近年では裁判員裁判制度が導入され、法律知識を持たない一般人に対しても、裁判の争点や被告人の言い分などをわかりやすく伝える力が求められるようになっています。

刑事事件を扱う弁護士は、民事事件を手掛ける弁護士とは求められるスキルがやや異なるといえます。

2.弁護士はどういう人が向いてるの?

弁護士に向いている人は、「まじめで根気強い人、実現させたい理想がある人、精神力の強い人」です。

それぞれについて説明していきます。

①まじめで根気強い人

弁護士になるにあたって一般的なルートをたどる場合、大学入試、法科大学院入試、司法試験、司法修習終了後の考試と、いくつもの関門をくぐり抜けることが必要です。

高校生の頃の大学受験から数えると、すべての試験に一発合格できたとしても、丸10年ほど勉強に打ち込み続けなければならない計算になります。

さらに、法律の勉強は、膨大な条文や判例を暗記しなければならないうえ、法的解釈力や論文記述力などを身につけることにも、莫大な時間がかかります。

従って、長い年月にわたってコツコツと努力を積み重ねられるまじめさ、根気強さのある人は、弁護士に向いています。

また、働きだしてからも、多くの資料に目を通したり、法的書類を作成しなければなりませんので、作業や手間を惜しまないまじめさや粘り強さは、弁護士として非常に重要な資質です。

②実現させたい理想がある人

弁護士を目指す人のなかには、勉強することが得意だから、最難関とされる司法試験を受けて自分の力を試してみたいという人も少なからずいます。

たしかに、優秀な学力さえあれば、司法試験をパスすることも可能かもしれませんが、弁護士は、実務を手掛けるようになってからも苦難の連続です。

「弁護士としてどのように社会に関わっていきたいか」「弁護士として実現させたいことは何なのか」という明確な理想や目標がないと、弁護士業務を長く続けていくことはできません。

理想がなければ、「勉強だけしていたときは楽しかったのに」と後悔することになってしまいます。

③精神力の強い人

弁護士は、いわば他人の揉め事を解決することが仕事であり、仲裁役として多種多様なトラブルの現場に立ち会うことになります。

交渉結果や裁判結果によっては、相手方からだけでなく、依頼者から誹謗中傷されたり、あるいは第三者から恨みを買うこともあるかもしれません。

弁護士には、そのようなトラブルや非難に動じることなく、気持ちを切り替えて淡々と業務に取り組める、精神力の強い人が向いています。

3.弁護士の魅力とは?

弁護士の魅力は主に2つあります。
それぞれについて説明していきます。

①自由な働き方ができる

弁護士は、弁護士法によって最低限の規制がなされているだけで、監督する官庁もなく、日弁連や各地方の弁護士会が自分たちで自治を行っています。

弁護士は、会社員や公務員、ほかの士業系資格などと比較すると、規律やルールなどは各人の裁量に委ねられている部分が大きく、その働き方はきわめて自由度が高いといえます。

法律事務所に勤める人もいれば、企業内弁護士として活躍する人もいますし、役所に勤めたり、独立開業して経営者となったり、大学教授になる人もおり、またそれらを兼務する人もいます。

自身の希望や関心、生活事情などに合わせて、さまざまな働き方が選択できる点は、弁護士という職業の大きな魅力です。

②さまざまな人に出会える

法治国家である日本は、社会の隅々にまで法律が行き届いており、法という切り口を使えば、世間のどんな人とでも関わることができます。

政治家や著名人、スポーツ選手、資産家といった富裕層向けのビジネスを展開することもできますし、反対に、破産者や犯罪者、あるいは反社会的勢力を相手にすることもできます。

表の世界の住人にも裏の世界の住人にも等しくかかわることができるのは、弁護士ならではの魅力といえます。

出典:https://careergarden.jp/bengoshi/work/